ヤブガラシ
ヤブガラシはつる性のブドウ科の植物です。名は藪を覆って枯らしてしまう程の勢いがあるという事でしょう。
蔓も長く伸びますが、地下茎で増えるので大きな塊となって繁茂します。
葉は普通5小葉からなっていますが、一か所から小葉が出ているのではなく、茎に一番近い葉はその次の葉の茎から出ていますので、鳥足状複葉といいます。葉は対生の場合もありますが、片方が巻きひげの場合が多いようです。その巻きひげを使って他の植物にからみついて覆いつくしてしまいます。
花は小さく、花弁は4枚で緑色。額のように見えます。雄しべは4つ。雌しべは真中に1つ。雄しべと雌しべの付け根にははじめ濃いオレンジ色の花盤があります。額と雄しべは早くに脱落し、その後めしべが伸びます。その頃には花盤の色はピンクに変わります。その花盤には蜜があり、よく虫を呼び込みます。
筆者はこの花盤がなぜか非常に好きです。色もいいし、何とも砂糖菓子のように美味しく見えるのです。虫になりたい気分です。
花は7・8月。真夏の暑い時に咲きます。
ヤブガラシは明るい場所が好きです。林の縁や生け垣などに多く見られます。
深谷市ではどこでも見られます。真夏につる植物を見つけ、この独特の小さな砂糖菓子の花を見つけてみてください。それがヤブガラシです。
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春、葉や茎を伸ばし始めたころ。
葉と対生に巻きひげが出ています。
小さな花の集まり。いっぺんには咲かずに、あちらこちらに開きます。
咲いたばかりの時の花。まだ緑の花弁も4つのおしべもあります。花盤ははじめ、こんな濃いオレンジ色です。
右が少し時間がたったもの。花弁も雄しべも脱落して、めしべが伸びています。雌しべの伸び具合は左の咲いたばかりの花と比べてみてください。花盤の色もピンク色ですね。
アゲハチョウに蜜を与えるヤブガラシ。