鐘撞堂山
鐘撞堂山は戦国時代、北条氏の北関東支配の拠点であった鉢形城(寄居町)の出先機関の一つだったと伝えられています。名前が示す通りに鐘が据えられ、敵讐をいち早く鉢形城に知らせる役目をおっていたようです。鐘撞堂山からは関東平野が一望でき、その役割もうなずけます。
鐘撞堂山の山体はほとんどが寄居町に属しています。頂上から離れて北側に美里町があり、東側一つの谷に沿って深谷市が食い込み、頂上まで達しています。その谷の象徴は谷津池です。農業用の溜池です。この谷津池周辺が鐘撞堂登山の基地になります。駐車場があるということです。
この地域は元花園町であったところです。その前までは深谷市で一番高い地点といえば、仙元山でした。山というよりは丘陵です。標高は98m。鐘撞堂山は330mですから一気に232m身長が伸びたことになります。この山のおかげで、動植物の種類もかなり増えたでしょう。
鐘撞堂山は低山ハイクの名所でもあります。寄居側からのルートがメインのようですが、最近は深谷側から登る方も増えてきました。何といってもベースになる大きな駐車場がありますので。寄居側はほとんど車をとめるところがありません。(電車をご利用の場合は寄居の方が便利です)
深谷側の鐘撞堂山のハイキングルートはこちらをご覧下さい。
<深谷市ホームページ・鐘撞堂山ふるさとの森>
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鐘撞堂山へ車でお出かけの方は254号線のこの看板が目印です。
人家のある明るい谷津を奥へいくと右手に東屋が見えてきます。小さな「ホタル公園」です。夏にはホタルが出るのでしょうか。確かめていません。
ホタル公園から先は道が狭くなり、車が一台通るのがやっとです。
そのあたりから見た、春の鐘撞堂山方面です。頂上は見えていません。
手前の柵のある土手は、奥にある谷津池の土手です。この土手の下には大きな駐車場があります。また谷津池の横にも駐車場があります。
南コースを通ると、谷津池と駐車場がよく見える場所があります。
見てわかるように結構駐車スペースがあります。これらの駐車場が全て満杯になったのは経験したことがありません。春のいいシーズンでも今のところは大丈夫でしょう。
鐘撞堂山の春は素敵ですよ。平地からすぐなのに山の雰囲気たっぷりです。桜のころ芽吹きの頃が最高ですね。
麓にはニリンソウも咲きます。
明るい雑木林の下にはチゴユリの群落もあります。
これはレンプクソウ。
ちょっと面白い花でしょ。詳しくは「野の花」のレンプクソウを見てください。
この花も麓の谷津池周辺で見られます。
これはシュンラン。
雑木林の山にはまだ結構ありますが、やはりとっていく人がいるようなので詳しい場所は伏せておきます。
山道の明るい場所では、道脇にスミレが数種類咲いていて楽しませてくれます。
これはタチツボスミレです。
こちらはアカネスミレ。
他にも、エイザンスミレやアケボノスミレ、ヒナスミレなどが出迎えてくれます。
鐘撞堂山の頂上が見えてきました。頂上には展望櫓が立っています。
まだそれほど年数の経っていない展望櫓です。ここに上ると視界がいいですよ。ただ開けているのは東・南方面で北・西の方角は木が邪魔で展望がききません。ちょっと残念です。木を切るのはかわいそうですが、360度のパノラマが見たいですね。
鐘撞堂山頂上の展望櫓から見た深谷市方面。
望遠レンズで引き寄せて、深谷の仙元山とビッグタートルです。
奥の山はもう群馬の山々です。
こちらは眼下の寄居の町です。こちらから登る方のほうが多いようです。
寄居の「日本水(やまとみず)」で有名な釜伏山方面です。
中央やや右の丸いとんがりが釜伏山です。どこから見てもお釜を伏せたようです。
頂上には何本かの桜が植えられていて、頂上でお花見ができます。
鐘撞堂山頂上の標識です。標高は330.2m。
実は、鐘撞堂山はバードウォッチャーにはタカの渡りで有名な所なのです。
サシバやハチクマというタカが秋に南の国に渡っていきます。その中継地の一つなのです。
これはさサシバ。カラス大のタカです。
このように何羽ものタカが上昇気流を見つけて乱舞します。その数が多くなるとタカ柱といいます。藪などで見かける蚊柱をご存じでしょうか。その様子に似ているのでタカ柱です。鐘撞堂山でも数十羽のタカ柱を見ることがあります。
実はこのタカの渡りを観察するためにも北側の視界が欲しいのです。タカは北からやってきますから。
役場の方、どうにかなりませんか。
もう少し写真を入れておきましょう。
新緑と谷津池。
向こうの山を写す谷津池をバックにススキ。
おまけにこんな写真はいかがでしょう。
ヤブレガサでしょうか。もちろん鐘撞堂山で撮ったものです。